【2022年7月】徹底比較!公認会計士が選ぶ中小企業・個人事業主M&Aマッチングサイト5選

「事業承継・M&Aマッチングサイトを利用したいけど、どれが良いのかわからない」
「事業承継・M&Aマッチングプラットフォームを利用する時のメリット・デメリットや注意点を知りたい」
「安くて、安心して利用できるサイトを知りたい」

M&Aマッチングサイトは現在乱立しています。
M&Aで失敗しないために最適なプラットフォートを選ぼうとしても、たくさんあるマッチングサイトを比較して、自分に合うものを選ぶのはとても難しいですよね。

社長

マッチングサイトの数が多すぎて、
どれを選んだら良いのか分からない

そこでこの記事では、事業承継・M&Aに強い公認会計士が、2022年におすすめのM&Aマッチングサイトを5つをご紹介します。
M&Aマッチングサイトを比較する際に、チェックしたいポイントは3つあります。

M&Aマッチングサイト比較の3つのポイント
  1. 会員数会員数、得意業種をチェック!
  2. 料金月額料金、成功報酬をチェック!(※売手は完全無料が基本)
  3. サポート体制提携専門家の有無、便利なオプションサービスの有無をチェック!

当サイトでは、実際に利用した人の感想や失敗談を基に比較すべきポイントを3つにまとめました。
ぜひ、ご自身に一番合ったマッチングサイト探しの参考にして下さい!

この記事で分かること

【検討中の方必見】M&Aマッチングサイトはどんな人におすすめ?

M&Aマッチングサイトを使うべき人

マッチングサイトは仲介会社のサービスが行き届かない個人事業主や売上高3億円未満の小規模企業のM&A問題を解決するサービスです。
同じ規模感の会社が集まるサイトに登録することで、ご自身の希望に合った相手が見つかりやすくなるため、売上3億円未満の事業社のM&Aに向いています

また「売買する相手を自分の目で見極めたい」と思われる方も多いです。仲介方式では全候補先と交渉することはできないため、マッチングサイトでは直接交渉が基本であるため、相手を自分で選びたい人はマッチングサイトを積極的に活用するべきです。

そして、マッチングサイトは専門家を活用した場合でも、比較的割安で済む場合も多いです。その理由は、相手探しは自分で行うからです。
今回ご紹介しているサイトは売手・買手いずれも登録は無料ですので、ぜひ会員登録してみてください!

M&Aマッチングサイトを使うべきでない人

上記の人は、マッチングサイトよりも仲介方式の方がおすすめです!仲介方式の比較は追ってフォローしますのでお楽しみに!

事業承継・M&Aマッチングサイトのおすすめ5選

目的別で選ぶ

とにかく安く済ませたい

相手をたくさん比較したい

案件非公開にこだわりたい

IT事業をM&Aしたい

オファーがなく困っている売手

マッチングサイト5つの詳しい比較表(2022年7月時点最新)

スクロールできます
TRANBI
トランビ

BATONZ
バトンズ

M&A
サクシード
M&A
クラウド
事業承継
総合センター
会員数
10万

16万

1.2万

0.8万

1.7万
売手
料金

無料

無料

無料

無料

無料
買手
料金
登録
料金
無料無料無料無料
税込
月額
4378円無料無料5万
成功
報酬
なし2.0%2.0%レーマン
報酬
最低
なし27.5万円220万円非公開
サポート
体制
得意
業種
全業種全業種製造・卸売IT全業種
こんな人に
おすすめ
安く済ませたい人たくさん比較したい人非公開にこだわりたい人IT事業をM&Aしたい人オファーがない売手
リンク公式公式公式公式公式
サービス会員数実績・特徴

TRANBI

10万
迷ったらここ
・平均15件からのオファー
・未経験者売却率70%
・赤字でも売れた実績あり

BATONZ

16万
■登録者数最多
・M&A仲介大手の日本M&Aセンターグループが運営。
・登録者は国内最大、コストも安い。サポート体制も充実

M&A
サクシード
1万■登録審査で安心感のあるM&Aを実現
・登録に審査が必要なため、安心して利用可能
・法人のみ登録可能。個人事業主は利用不可
・転職エージェントでの実績と信頼性あり

M&A
クラウド
0.8万■IT事業のM&Aならここ
・買手にIT企業の登録多数

事業承継
総合センター
1.7万■仲介会社の比較ができる
・会員登録数17000以上
・数十社のM&A仲介会社の比較が可能
・平均36社の買手リスト提示
・リクルートが運営する
M&Aマッチングサイトの比較表

1.TRANBI(トランビ)|会員10万人超、買手成功報酬なしは唯一

会員数10万人No2
料金売手:登録無料
買手:登録無料、交渉月額4378円、成功報酬なし
対象者個人事業主
小規模企業~
利用目的売手:後継者不在、不要事業売却
買手:脱サラ、事業拡大
オプション売手:事業ストーリー広告、NDA情報漏洩保険
買手:M&A後押し保険、NDA情報漏洩保険
専門家の交渉代理
運営会社株式会社トランビ
中小企業M&Aガイドライン遵守宣言あり

TRANBIのオススメポイント

  1. Gomez M&Aプラットフォームサイトランキングで2年連続総合1位の実績
  2. 買手の月額料金制で、成約手数料なし
  3. 個人事業主から上場企業まで幅広い利用者・業種が揃う

TRANBI(トランビ)は、会員登録数10万人超えの国内最大級の人気M&Aマッチングサイトです。
会員数が多いため、企業の数が多い首都圏だけでなく、地方企業のマッチングにも役立ちます。
業種では飲食、美容、小売をはじめ製造業・Webサイト・医療・介護等幅広く取り扱っていることが特徴です。

「Gomez M&Aプラットフォームサイトランキング2022」で競合のBATONZ(バトンズ)を抑えて2年連続で総合第1位の実績を持つサイトです。評価項目としては以下の4つで、TRANBIは全ての項目において3位以内にランク入りを果たしている唯一のサイトで、マッチングサイトとしての総合力の高さに定評があります。

評価項目
  1. ウェブサイトの使いやすさ
  2. サイトの安定性・セキュリティ
  3. 便利なサービス・機能
  4. 情報の充実度・信頼性

TRANBIは、小規模企業・個人事業主が行うスモールM&Aに最適なM&Aプラットフォームです!

TRANBI利用者の口コミ

売手

売り手は完全無料か、本当にダメ元でチャレンジできる

(76歳/男性/個人事業主/食品製造業)

TRANBIに掲載してから反応が早くてびっくりしました。2日目からお話がいくつか来たものですから。こんなにいっぺんに何社からもお話をいただいて、本当に嬉しかったですね。どこに決めたら良いのか迷うほど。連絡をいただいた相手は食品関係が多かった印象です。

本当にダメ元でいいんだから、まずは試しに始めてみるといいと思います。

売手

200万円で事業を売却!TRANBIを利用しなければ廃業で「0円」だった

(年齢不明/男性/法人/飲食業)

想定以上の買い申し込みをいただいたので、今となっては「あと100万円高く設定していてもきっと売れただろう」と思います。ただ、TRANBIに出会わなければそのまま廃業して得られるお金が0円だったと考えると、無事売却できただけで満足です

ただ、今回初めて主体的に事業を売る経験をしてみて、売る側は利用料や成約手数料も掛からないし、交渉過程もスムーズだったので、すごく満足度が高くて。最近は周りの経営者に、「もし事業の撤退を考えるタイミングがあれば、ダメ元でTRANBIに出してみた方がいいよ」と勧めています。

買手

ゼロイチで事業をつくるハードルの高さを実感、稼ぎながら学習できるM&Aへ

(20代/男性/個人/アプリ)

私と同じ会社員の方でも、これから起業や副業を考えてはいるけど、行動に移せずに時間だけが過ぎているという方も少なくないのではないでしょうか。そのような方にはまずはM&Aから始めることを私はおすすめします。既に利益が出て事業として成り立っているものを買うため、非常に低リスクかつ準備期間が無いので即事業に取り組むことができます。

まずは、TRANBIに登録して、案件を探してみてはいかがでしょうか?眺めているだけでも結構楽しいですよ。

2.BATONZ(バトンズ)|会員数16万人で最多、買手成功報酬2.0%

会員数16万人 No1
料金売手:無料
買手:月額無料、成功報酬2.0%
対象者個人事業主
小規模企業~
利用目的売手:後継者不在、不要事業売却
買手:脱サラ、事業拡大
オプション売手:提携専門家紹介
買手:バトンズDD
+保険
運営会社株式会社バトンズ
中小企業M&Aガイドライン遵守宣言あり

BATONZのおすすめポイント

  1. 会員数が最も多く、多くのオファーが期待できる
  2. バトンズDD+中小M&A保険で提携専門家に依頼ができる
  3. 日本M&Aセンターのノウハウやネットワークを活用でき安心

BATONZ(バトンズ)は、2022年中の会員登録数と成約実績No.1を誇るM&Aマッチングサイトです。
業種では、飲食や小売・Webサイト・運送・宅配・学習塾等を幅広く取り扱っています。

M&A仲介会社の大手である日本M&Aセンターのグループ会社が運営しており、ノウハウやネットワークが揃っており安心です。
多くの金融機関やM&A支援機関と提携しており、2022年時点で会員登録数が急増しているサイトです。

他方、日本M&Aセンターグループの仲介業者による代理登録案件も多く、利用の際はこの点に注意が必要です。この場合、プラットフォームに対する成約手数料の支払とは別に、仲介会社への手数料が発生する可能性がありますので、十分確認しましょう。

BATONZ利用者の口コミ

売手

小さなECも事業譲渡できるのか

(30代/女性/個人事業主/EC事業)

これまで、M&Aというものは大企業のためのものだと思っていました。自分には関係ないものだとしか思っていなくて。だから、私みたいに独りでやっているような小さなEC事業でも事業譲渡ができるんだ、後継者を見つけられるんだと知った時は、飛び上がるくらい嬉しかったですね

買手

リラクゼーションサロンを事業承継。会社員として働きながらの新たなチャレンジ

(年齢不明/男性/個人事業主/サービス業)

赤字が続いている事業でしたが、話を聞いているうちに、採用面や運営面でテコ入れを行えば、十分黒字に転換できるイメージがありました。赤字企業を引き継ぐには少し高めの希望価格という印象でしたが、1年ほどあれば投資金額を回収できると思いましたし、売主様との今後のことを考えたときに、値引きするほどのことでもないかなと

3.M&Aサクシード|法人のみ、案件非公開で安心

会員数1.2万人
料金売手:登録無料
買手:登録無料、月額無料、成功報酬2.0%(最低220万円)
対象者小規模企業~
利用目的売手:後継者不在、不要事業売却
買手:事業拡大
オプション専門家提携
運営会社株式会社M&Aサクシード
中小企業M&Aガイドライン遵守宣言あり

M&Aサクシードのおすすめポイント

  1. 買手は審査を通過した法人のみ
  2. 案件は非公開のため情報流出リスクが低い

M&Aサクシードは、ハイクラス転職サイト「ビズリーチ」を運営する株式会社VISIONALのグループ会社である株式会社M&Aサクシードサクシードが運営しているサイトです。2022年にサービス名の変更があり、変更前は「ビズリーチ・サクシード」というサービス名でした。
業種は製造・卸売業が最も多く、次いで情報通信・医療系という順番です。

このサイトの最大の特徴は、案件が公開されないという点です。トランビやバトンズでは、案件が一般に公開されてしまうので、いくら匿名で情報を掲載していようが、従業員や取引先に自社であると特定される可能性が存在します。
対して、M&Aサクシードでは登録審査を通過した人でないと案件を見ることができないため、情報拡散のリスクを下げることができます。

なお、個人事業主は会員登録できないため、副業や脱サラしたいサラリーマンの利用は厳しいです。

料金については、売手は案件登録から制約まで完全無料で利用することができます。
買手は、無料であれば案件閲覧まではできるものの、売手に申込・交渉を行うためには、有料プランへの登録が必要となっています。有料プランの最低料金が月額69,800円と高額なっていることから分かる通り、M&Aサクシードの想定利用者は小規模事業者というよりも、「中規模企業向け」であることが伺えます。

4.M&A Cloud(クラウド)|IT特化!ミスマッチが少ない!

会員数非公開
料金売手:登録無料
買手:登録無料
対象者個人事業主(売手のみ可)
小規模企業~
利用目的売手:不要事業売却、連続起業家
買手:事業拡大
オプション
運営会社株式会社M&Aクラウド
中小企業M&Aガイドライン遵守宣言あり

M&Aクラウドのおすすめポイント

  1. 売手と買手のミスマッチが起こりにくい
  2. ITに特化しており、IT上場企業の20%以上が買い手として掲載中
  3. マッチング後平均1週間で面談が可能

M&Aクラウドは、売手と買手がコミュニケーションしやすいサイトです。

このサイトの最大の特徴は、ミスマッチが起こりにくいという点です。
買手企業がM&Aや出資のニーズや投資実績等を公開してるため、適切なマッチングが可能となっています。


また、M&AクラウドはIT事業のM&Aに特化している点も特徴的です。
IT関連の案件は非常に高値で売買される場合が多いため、IT事業を売りたい、あるいは、出資を受けて会社を大きくしたいスタートアップ企業はM&Aクラウドが最もおすすめです。

5.事業承継総合センター|最適な仲介会社を比較できる

会員数
料金売手:登録無料
対象者小規模企業~
(売手のみ利用可)
利用目的売手:後継者探し、M&A
オプション
運営会社株式会社リクルート

事業承継総合センターのおすすめポイント

  1. 最適なM&A仲介会社とのマッチングが可能
  2. 買手リスト最大級17000件以上が存在
  3. 平均36社の買手リストが可能

事業承継総合センターは、株式会社リクルートが運営する事業承継特化のサイトです。後継者のいない中小企業の最適な譲渡先を探すことに特化しており、買手は登録できません。

事業承継総合センターの特徴は、M&A仲介会社・買手案件を比較できるという点です。
これまでご紹介したマッチングサイトは売手が案件を登録し、買手からオファーを受けるという点でした。
これに対して事業承継総合センターの場合は、売手が事業承継総合センターと面談を行い、事業承継総合センターが最適な仲介会社と買手候補を提示してくれます。いわば、マッチングサイト方式と仲介方式の良いとこ取りの仕組みを採用しているといえるでしょう。

事業承継総合センターへの相談は無料でできます。
マッチングサイトに登録したけれど、中々オファーが来ないという方は一度事業承継総合センターにご相談されては如何でしょうか。
ご自身が個別に仲介会社と相談するよりも遥かに効率よく最適な相手を見つけることができますよ!

事業承継総合センター利用者の口コミ

売手

M&Aが成立したのは、リクルートさんや仲介会社さんのおかげ

(40代/男性/法人/製造/売上高約5000万円/富山県)

リクルートや仲介会社の担当の方はM&Aの知識を豊富に持っているので、気軽に相談できましたし、的確にアドバイスしていただき、安心してお任せできました。リクルートさんに相談して良かったと実感しています。

売手

「人手不足という経営課題をどのように解決するか」誰にも悩みを相談できず一人で抱え込んでいたので、話を聞いてもらうだけでだいぶ楽になりましたね。

(50代/男性/法人/製造/売上高約1.3億円/愛知県)

事業承継総合センターのM&Aサービスは、買手候補企業との面談が発生するまでは費用が発生しないので安心して面談に臨むことができました。相談する頃には会社を譲渡する意向でいましたが、会社の規模にかかわらず失敗となったケースも少なくありません。そもそもM&Aを行うべきか、本当に譲受け企業が見つかるか、全くわからない状況でしたが、この件に関して事業承継総合センターほど真剣に考えてくれる方、話せる方がいなかったので、事業承継総合センターに仲介会社の紹介を依頼しました。

売手

アサインされた事業承継コンサルティング会社の担当者もストレートに違うところは「違う」とはっきり言ってくれる人でしたので、良かったと思っています。

(70代/男性/法人/電気工事業/売上高約1~5億円)

担当者に時にはきびしく、時には優しく付き合っていただけたので、ありがたかったですね。M&Aをやる上ではいくつも山があって、すんなりとはいかないこともでてきます。こちらがまよった際には、「社長がもともと考えていたのは、こういうことですよね」と客観的に意見を言ってくれたことで、確認できたこともたくさんあったので助かりました。

事業承継・M&Aマッチングサイトはどう選ぶ?3つの比較ポイントをご紹介

マッチングサイトを選ぶ上で重要なポイントを3つご紹介します。

【ポイント①】登録数が多いほど、希望通りのM&Aを実現できる可能性が高まる


M&Aマッチングサイトを選ぶ時は、会員数が多いサイトを選ぶことが大切です。なぜなら、会員数が多いと、売手にとっては多くの買手から申込を受ける可能性があり、買手にとってはご自身のニーズに合致した案件が掲載される可能性が高まるからです。

【ポイント②】料金は売手は無料かどうか、買手は成功報酬の何%かに着目


マッチングサイトを利用するにあたっては、利用料金や手数料体系も事前にチェックしておくことが大切です。
マッチングサイトの大半は、売手が無料、買手は有料となっています。

ここで、売手・買手双方で気をつけたい事として「M&A専門家に対する報酬」は別途発生することです。
M&Aに慣れている方であればM&A専門家の支援を依頼しないケースも想定されますが、通常そうではないためM&Aに強い会計事務所等にサポートに入ってもらうことになります。


専門家自体はそれぞれのマッチングサイトが提携している各地域の専門家をご紹介する流れとなりますが、専門家報酬はマッチングサイトの利用料や成功報酬とは別に発生します。完全無料でM&Aができるという訳ではないため、注意しましょう。


M&Aをサポートする役割のM&A専門家のことをアドバイザー(通称FA:Financial Advisorの略)と呼びます。
スモールM&Aの場合、会計事務所または税理士法人が通常対応します。


ポイント③】安心できるサポート体制で、M&Aの成功確率を高める


M&Aマッチングサイトは、サイト運営者が売手と買手がマッチングする場所を設けてくれるだけのため、交渉は全てご自身で対応する必要があります。そうはいっても、初めてなので専門家に手伝ってほしい、あるいは事業価値の算定をしてほしいなど、個別のニーズに対応できるように提携している専門家がいるかどうかも重要なポイントです。

M&Aマッチングサイトのメリット・デメリットは?

M&Aマッチングプラットフォームの代表的なメリットとデメリットをまとめているので、ぜひ参考にしてみてください!

メリット

【メリット①】個人事業主・小規模企業でもM&Aができる

M&Aマッチングサイトを利用することの最大のメリットが、個人事業主・小規模企業でもM&Aができるようになることです。これは本当にすごいことです。

M&Aの最大の壁は今も昔も「相手探し」にあります。
マッチングサイトが登場する前の時代は、M&A仲介会社に相手探しのお願いをして、候補を提示してもらう、という方法しか存在しませんでした。
ここで、M&A仲介会社も時間とお金に限界があるので、なるべく手数料が取れる大型案件を優先的に対応し、売上高3億円以下の小規模M&Aは避ける傾向にあったため、売上高3億円未満のM&Aを成約させることが難しい状況が続いていました。

しかし、マッチングサイトが登場して以降は、売手がウェブサイト上に案件情報を掲載し、買手がその情報を見に行く、という方法が確立されたため、今まで空白地帯であった個人事業主・小規模企業のM&Aが遂に実現しました。
同じ地域内に留まらず、日本全国から買い手を募ることができるようになり、思わぬ買い手が現れるようになっているのもマッチングサイトの強みです。

会計士くま

仲介会社に頼らずとも、自分で相手を探すことができるのはインターネット技術の発達のおかげと言えますね

【メリット②】候補を複数比較できる

M&Aマッチングサイトを利用するメリットの2つ目は、仲介会社を利用するよりもM&Aのコストを抑えることができる点にあります。
その理由は2つあります。


1つ目の理由は、マッチングサイトを利用した場合、売買する相手先を探す手間を利用者が負っているからです。
仲介会社の場合、売買する相手を探すために走り回る工程を仲介会社が行うため、その分コストが高くなります。
一方で、マッチングサイトの場合は、相手探しをするのはあくまで自分自身であるため、その分コストはかからないです。
無理のない範囲での支出で、まずは相手がいるかどうか探すことができる、というのはマッチングサイトならではと言えるでしょう。

2つ目の理由は、マッチングサイトはマッチング以外の工程も自分で対応するからです。
仲介会社の場合、事前準備段階からマッチング、企業調査、最終契約に至るまでの全てのステップで利用者のサポートに回ってくれます。
一方で、マッチングサイトの場合、あくまで全て自分自身で対応することが原則であるため、必然的にコストは下がりますね。

【メリット3】相手を複数選ぶことができる

M&Aマッチングサイトを利用するメリットの3つ目は、マッチングサイトでは自分自身で相手を複数選ぶことができる点にあります。
マッチングサイトの革命的なポイントはこの3つ目である、と言われることもあります。
仲介方式の場合は、仲介会社が厳選した相手をせいぜい数社自分に提示してくれるのみで、手を上げた候補者全員を紹介してくれることはまずありません。
一方でマッチングサイトの場合は、自分自身に相手から直接連絡が来るため、手を上げた候補者全員を比較検討できます
特に事業の売手の場合は「最も高く買ってくれる人に譲りたい」ではなく、「自身が育てた事業を一番守ってくれる人に譲りたい」というニーズも多いです。
その場合に自分自身で譲渡先を見極めることができる、という仕組みは小さい事業のM&Aでは代え難いメリットであると言えるでしょう。

デメリット

【デメリット①】準備、相手探し、交渉、契約は全部自分でやる

M&Aマッチングサイトを利用するデメリットの1つ目は、準備、相手探し、交渉、契約は全部自分で対応する必要があるという点です。

M&Aマッチングサイトは、サイト運営者(プラットフォーマー)が売手と買手がマッチングする場所を提供するサービスであり、当事者同士の交渉には関与しません。つまり、売買対象の事業の価値がいくらなのか、あるいは、相手方との交渉は基本的には登録者ご自身で対応する必要があります。
M&Aに慣れている人は通常いないため、結構大変です。

そうはいっても、M&Aは初めてなので専門家に手伝ってほしい、企業価値の算定をお願いしたい等の人それぞれのニーズがあると想います。その場合は、サイト運営者が提携している専門家を紹介してもらうことができますが、その場合サイト利用料金とは別に報酬が発生します。


しかし裏を返すと、あまりお金をかけたくない場合は、ご自身でM&Aについて勉強し、各ステップで重要なポイントを勉強し、要所要所で専門家を活用する、といった方法も可能です。

【デメリット②】掲載されている情報が本当か疑わしい

M&Aマッチングサイトを利用するデメリットの2つ目は、掲載情報の信頼性が疑わしいという点です。これは特に買手にとって重要です。

M&Aマッチングサイトに掲載されている案件一覧を見に行くと、通常売手企業の売上高や営業利益、所在地、従業員数、譲渡希望価額等が掲載されています。
しかし、恐らく次のような疑問を持たれる方は多いのではないでしょうか。

掲載されている情報はどこまでが正しい?嘘は書かれていない?

その疑問は正解です。つまり、掲載されている情報が本当に正しいかどうかは、この段階では掲載した本人以外には誰にも分かりません。
そのためにも、交渉がある程度進んだ段階、具体的には基本合意を得た後に、いわゆるDD(デュー・デリジェンス:買収調査)を行う必要があります。もちろん「M&Aを行う場合はDDをやりなさい」という法律はありませんが、実務上はどんなに小さい事業のM&AでもDDを行います。
理由は単純で、掲載されていた情報が本当かどうかを確かめ、何か問題がある場合は価格交渉を行うためです。

DDの概要については、後日別記事で解説を行います。

DDは、お金をかけて専門家にお願いした方が安心安全です。買手自身がDDの勉強をして行うことは理屈上は考えられますが、私は聞いたことありません。
費用対効果を考えて、素直に専門家にお任せした方が得策と言えるでしょう。

DDを行う場合、どの専門家を頼るかは案件の規模次第です。
個人事業主や小規模企業が行うスモールM&Aであれば、まずは顧問税理士が対応できるか相談してみましょう。もし顧問税理士ができないということであれば、近場のM&Aに強い会計事務所に相談してみることをおすすめです。

【デメリット③】M&Aを検討していることがバレる可能性がある

M&Aマッチングサイトを利用するデメリットの3つ目は、情報拡散する可能性があるという点で、特に売手に関係がある話です。

M&Aマッチングサイトは会員なら誰でも売買情報の閲覧が可能です。通常は匿名で企業概要のみを掲載しますが、地域性や事業内容、事業規模等の情報から会社が特定されることもあり得ます。

社内・社外に「M&Aを検討している」という話が広まることは絶対に避けなければなりません。
なぜなら、M&Aの準備段階で知れ渡ると、社内的には、従業員の不安をいたずらに煽り、退職を希望する社員が出る可能性があり、社外的には、取引先や金融機関からの問い合わせ・クレームへの対応を行う必要が出てくる可能性があるからです。その結果、M&A自体が難しくなり、結果案件自体が消えてしまうことに繋がります。
M&Aを成功させるためには、最終的に成約するまでは情報漏洩がないよう気を使う必要があります。

少なくとも以下には気をつけましょう

  • 具体的な交渉の前に秘密保持契約(NDA)を締結する
  • 案件概要を掲載する際は個社が特定されない内容で書く
  • M&Aを検討していることは口外しない、相談するなら専門家に!!

はじめてのM&Aマッチングサイト!知っておくべき基礎知識

M&Aマッチングサイトとは?どんな人が利用してる?

M&Aマッチングサイトとは、会社や事業を売却したい人と買いたい人を、インターネットの専用サイトを通してマッチングさせる仕組みです。
利用対象としているのは、主に年商1億円未満、従業員10人以下等の中小零細企業、個人事業主になります。

マッチングサイトを利用している人を以下の図にてまとめてみました。
特に、トランビやバトンズといった大手マッチングサイトの利用者の大半は、以下に収束します。

※中小企業庁が公表している『中小企業庁M&Aガイドライン』では、「M&Aマッチングプラットフォーム」で呼び名が統一されているため、公的に正しいのは「M&Aプラットフォーム」の方でしょう。

マッチングサイトでできること・できないこと

一般的に、M&Aでは案件の大小に関わらず以下の流れで進みます。

STEP

売手…M&Aの目的の整理、企業価値算定、案件概要書(IM)作成 等
買手…M&Aの目的の整理、買収予算の検討 等

STEP
マッチング(相手探し)

相手のプロフィール確認→条件確認→秘密保持契約締結(NDA)→実名交渉→基本合意

STEP
買収調査

売手…買手が行うDD(デュー・デリジェンス:買収調査)に協力する
買手…専門家へDDを依頼、DD結果から買収リスクを検討する

STEP
最終契約(クロージング)

譲渡価格のすり合わせ→契約締結→代金決済→事業引渡し


このうち、M&AマッチングサイトではSTEP2のマッチング(相手探し)のみ行うことができます。
無料の範囲内で事前準備を手伝ってくれるサイトもありますが、M&Aの準備や契約締結などは全て自分でやってね、というのが基本スタンスです。

 M&Aマッチングサイトに関するQ&A

M&Aマッチングサイトを使うメリットは?

・小規模企業・個人事業主でもM&Aが可能になった
・自分で相手を選ぶことができる
・仲介会社より安価かつスピーディに進めることが可能
など、たくさんのメリットがあります。

M&Aマッチングサイトを使うデメリットは?

・交渉は原則ご自身で行う必要がある。専門家に依頼する場合は別途費用発生
・マッチングするまで時間がかかることがある
・成約前にM&Aを行うことの情報拡散する可能性がある
など、デメリットがあります。

M&Aマッチングサイト選びで重視するべきポイントは?

マッチングのしやすさ・得意業種・料金など、重視すべきポイントは人それぞれ。10人いれば10人通りの正解があるので、まずはM&Aについて基礎知識をインプットした上で、その中から「何が譲れないポイント」なのかを考えるのが良いと考えます。

M&Aマッチングサイトと仲介会社とは何が違うの?

主にサービス範囲、料金が異なります。

  • 仲介会社は「事前準備→相手探し→交渉→買収調査(DD)→成約」までをフルパッケージで支援してくれる
    →安心感はあるが、その分高くなる
  • M&Aマッチングサイトは「相手探しの場所」を提供する役割が基本
    →事前準備や交渉、買収調査(DD)、成約までの一連のやり取りは原則自分で対応する必要があります
M&Aマッチングサイト選びで重視するべきポイントは?

M&A対象事業の情報に誤りがないかを専門家が調査します。
デュー・デリジェンス(DD)は企業の健康診断のようなものです。売手から提出された資料をもとに、M&Aの検討・交渉を行ってきた買手が「今までの情報に間違いはないか」「このままM&Aを進めてリスクはないか」について細かく調査をします。一方で、M&Aの準備段階から専門家とコミュニケーションを取りながら、丁寧に準備を進めてきていれば問題はありません。調査されることに身構えるのではなく、調査に積極的に協力しましょう。そうすることで、買手からの印象も良くなり、M&Aが破談に終わる可能性を下げられます。

買収調査(DD)って何をするの?

M&A対象事業の情報に誤りがないかを専門家が調査します。

デュー・デリジェンス(DD)は企業の健康診断のようなものです。売手から提出された資料をもとに、M&Aの検討・交渉を行ってきた買手が「今までの情報に間違いはないか」「このままM&Aを進めてリスクはないか」について細かく調査をします。一方で、M&Aの準備段階から専門家とコミュニケーションを取りながら、丁寧に準備を進めてきていれば問題はありません。調査されることに身構えるのではなく、調査に積極的に協力しましょう。そうすることで、買手からの印象も良くなり、M&Aが破談に終わる可能性を下げられます。

赤字でもM&Aできるの?

できます。

赤字での成約事例は多数存在します。

まとめ

マッチングサイトの比較基準はお分かり頂けましたでしょうか。
すでにマッチングサイトを利用した方々の成功事例を参考にしながら、あなたに一番ピッタリのマッチングサイトを選んでぜひM&Aを成功させてください!

当サイトでは今後スモールM&Aをに関する記事を中心に執筆して参りますのでお楽しみに!

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この記事で分かること